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H30年度児童館協働プロジェクト・坪沼自然探検/蛍観察WS/6月23日新田児童館

開催日時:6月23日14:00~21:00
場  所:坪沼八幡神社周辺
参加者数:児童28名 職員4名
講師:齋正弘(元宮城県美術館教育普及部長・SOAT理事)
サポートSOAT:藤原久美子、佐藤晴香、西村優衣子

活動内容詳細:
探検・観察には最適の気候で迎えた新田児童館の蛍観察ワークショップ。
バスが到着して神社までの道のりでは「虫がいたり、気になるものがあったら観察していいよ。」と伝えると「列を乱しちゃいけないんだよ。」と言って、草むらや田んぼを観察したり、虫を追いかける子は殆どいなかった。
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「探検や観察をしに来たんじゃないの。」と質問してみたが、学校で身に付いた行動とSOATの自由行動の違いにすぐには馴染めないようだった。周りにある色々なものの話をしたり、児童館職員も虫や葉っぱを子どもたちに見せていたが、この時には興味を示す子は少なかった。
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社務所に荷物を置き、夜に蛍観察をする時の道しるべとなるライトの準備からはじまった。前回の榴岡児童館の子どもたちが杭に打った釘を金槌で抜き、新しい釘を打つという流れだった。
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初めて使う金槌にわくわくしている様子だったが、齋さんが釘抜きの使い方を話し始めると、みんな真剣な表情で話を聞いていた。そのおかげで釘抜きは難なくこなした子どもたちだったが、金槌で釘を打つことを知らない子どもが何人かいて、手で釘を杭に刺そうとする子もいた。金槌の使い方をやって見せると、恐る恐る挑戦し、みんなが自分の力で釘を打つことが出来た。
ライト設置の前にヒノキ林での自然体験を行った。

DSC00259_800DSC00255_800DSC00258_800今回の子どもたちは、虫や草花に慣れていない子が多く、土を掘ったり、倒木の下の虫探しをする子供は少なかったが、木のアスレチックなどで遊んでいくうちに少しずつSOATの活動に慣れてきたようで、ノコギリを使って木を切る事に挑戦し始めた。
男の子のグループが自分たちで切った木や周りに落ちている枝を使って秘密基地を作ろうとしていたが、開けた場所に作ろうとしていたので「そこに作ったら秘密じゃないよ。」と声をかけると「ほんとだ。ならもっと林の方に作ろう。」とみんなで材料を手に林に駆けて行った。いい場所を見つけると「ここにするぞ。」と掛け声をかけてどんな秘密基地にするかとみんなで意見を出し合った。完成には至らなかったものの「もし帰れなかったらこの秘密基地で過ごせばいいね。」「食べ物がないから探さなきゃいけない。」とただ秘密基地を作るだけでなく、どんな風に使うかととりとめのない想像も楽しんでいた。
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ヒノキ林での体験後は、蛍観察用のライトの設置を行った。それぞれが釘を打った杭を道中に設置してライトを掛けていった。過ごしやすい天気と気温の中、子どもたちは畑の中の道を元気に歩いて行った。この頃になると、植物にも虫にも興味を持ち始め、周りに咲く花や小さな虫を見つけると「きれいだね。かわいいね。」と感嘆の声が聞こえた。
ライトの設置が終わって社務所に戻ると夕ご飯の時間になっていた。みんなでわいわい食事をした後、サツマイモ・枝豆・お米の観察日記をつける担当の子どもたちとSOAT職員が観察場所へ向かった。
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時間の少ない中だったが、「よく観察して大きさや色や形をしっかり見てね。」と初めに話すと、じっと植物を見て少しずつ書きはじめ、納得がいくまで消しゴムと鉛筆を何度も持ち換えたり、色を塗る際も本物の色に近づけようと何色も色鉛筆を使っていた。
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観察日記が終わると社務所に戻って平家琵琶の演奏を聴いた。演奏者が平家琵琶やその日演奏する那須与一の物語について子どもたちにわかりやすく解説をしてくださり、難しいながらも真剣に演奏に耳を傾けていた。配られたプリントの挿絵を見て「この人が那須与一かな。」「強そうだからこの人じゃないかな。」と楽しんでいる様子が見られた。
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演奏を聴き終え、帰りの身支度を済ませると荷物を持って蛍観察へ出発した。8時近くであったが、 外の温かい空気に蛍への期待を膨らませ、自分たちが設置したライトに照らされた道を列になって子どもたちは暗闇の中を疲れた様子もなく元気いっぱいで進んで行った。蛍観察場所に近づくと懐中電灯の明かりを消し、先ほどまで元気に話していた子どもたちは「蛍が逃げるから。」と声を小さくし、蛍に出会う心の準備をしていた。その甲斐あってか、観察場所に着く前に道脇の田んぼの上を光るものがすーっと通った。「いた。いたよ。」と嬉しさに少し声も大きくなり、この日最初の蛍が見つかるとみんなで大喜びしていた。その後は続々と蛍を見つけた。葉に留まっている蛍、遥か頭上を飛ぶ蛍を見つけるたびに子どもたちは、あっちへ行ったりこっちへ行ったり、しゃべることも忘れて目を輝かせた。何匹みつけたか尋ねてみると「あっちに一匹、二匹。」と数人で数えてみたが「たくさんいてわかんないよ。」「100匹はいるかな。」と笑いながら話した。
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時間も忘れて楽しんだ子どもたちは、初めての自然体験、夜の冒険、そしてたくさんの美しい蛍を見て、最高の一日を送ったようだ。「まだ帰りたくない。」「ここに泊まりたい。」と言う子どもたちは、次回を楽しみに元気いっぱいの笑顔で手を振り坪沼を後にした。

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