7/7 新田児童館訪問/砂場ワークショップ開催

7月7日(水)13:30~16:00 
参加者:新田児童館児童 児童28名(1,2,3年生)、職員4名
講師:齋正弘、サポート:SOAT4名(藤原、渡邊、佐藤、高橋)

活動内容詳細:
 朝からの雨が止まない中でワークショップが始まった。今回は1,2年生が主体ということと、雨対策として雨合羽つくりがあるため、砂場での活動時間をしっかりとりたいという児童館側の要望で1時間半予定を前倒しして1時間半の活動予定が1時間多くなった。1年生と2年生では帰ってくる時間が異なるということで、1年生と2年生を分けて2回雨合羽つくりを行った。

 雨合羽つくりでは齋じいが子どもたちを周りに集め、大きなビニール袋をかぶって見せた。「かぶると雨はいいけど息できない。どうする?」齋じいの姿に子どもたちは大笑い。「こうすんだっちゃ。」と言いながら顔が出て頭が濡れないようにビニール袋を切って見せた。そして切り方を間違わないように注意を促した。「頭、大事だろ。みんなは毛があるけど年取るとこうなるんだ。」子どもたちにはその話も受けたようでまた大笑いだった。「切りすぎても困んないようにテープでここをとめればいい。何色好き?好きなテープを張ればいい。」子どもたちとの対話を経て合羽作りが始まった。一か所切るだけ。まもなく切り口両端をテープで止めるだけのシンプルな雨合羽が次々出来上がった。

 「じゃ、行こう。」齋じいの声で1年生はお手製雨合羽を着て公園まで出かけた。砂場での目的はクマが落ちるくらい深い穴を掘る、ということだった。子どもたちはシャベルやひしゃくをもって一斉に掘り始めた。前回も石や木の根っこ、BB弾やペットボトルを発見したが、今回もいろいろ見つけた。古いペットボトルには水を入れ掘った穴に入れた。ペットボトルでの水運びは楽しいようで何度もやっていた。水を入れるのは砂を掘りやすくするためらしかった。柄杓で穴を掘っていた子どもたちはそれを見て水たまりの水を汲み始めた。その水を穴に入れると、そこで待っていた子どもたちがまた掘り始めた。「こっちにもお願いします。」そう言われて柄杓で水を汲み始める子どもがいたり、バケツの方が効率がいいと気づいた女子が現れたりした。水汲みが楽しくなった子どもたちはそればかりやったが、その様子を見て注意する子もいた。「今日は砂堀だよ。水ばっかりやらないの。」同じ1年生でも色々いるようだ。よく見ると掘り方も、パワーも女子の方が男子を上回っていた。

 終了時刻の30分ほど前になってようやく雨合羽を着た2、3年生が到着した。

「みんなには大切なお願いがある。砂場の盛り上がっている砂を掘って、ゲートボールに来ているおじいさんたちにわからないよう、なんとなく元に戻してほしい。」と齋じいが言った。子どもたちは砂を掘る気満々で来ていたので、掘るという言葉に反応し、せっせと掘り出した。砂堀りが25分過ぎたあたりで砂の埋め戻しの指示をもう一度出した。さすがに2,3年生である。あっという間に砂場の穴はなくなり砂場ワークショップは終了した。

6/17・18 福島県富岡町ハーブガーデンづくり/土壌つくり

令和3年6月17日・18日
実施場所:富岡町社会福祉協議会 
参加者:7名(富岡町社会福祉協議会職員)
ハーブ講師:宍戸多恵子(ハーブ&クラフト代表)、サポート:SOAT2名(藤原、高橋)

令和3年度にじいろぱれっと・心の復興支援事業「ハーブガーデンづくり&お手入れ」事業実施に当たり、
 区画された庭園において、土づくりから始め、様々なハーブの苗植え、その後の間引き、雑草取り、種子の収穫等の作業を、帰還者と移住・定住者などが一緒になって継続して行うことにより、心のケア、生きがい・居場所づくり、人々の交流の創出を図るための事前準備作業を富岡町社会福祉協議会と共同で行った。

6月17日 15:00~17:00
ハーブガーデンを作る事前作業及び花壇の整備作業

6月18日 9:00~12:00
土つくり、花壇へ土入れ作業(9:00~11:00)

ものづくりアートワークショップ/打ち合わせ(11:00~12:00)

7/3 成田小学校児童クラブ / 坪沼自然体験・ほたる観察ワークショップ開催

開催日時:2021年7月3日(土)15:00~20:30
場  所:坪沼八幡神社
参 加 者:成田小学校児童クラブ児童館 児童21名(1~5年生)、職員5名
講師:齋正弘
サポート:SOAT 3名(藤原、渡邊、佐藤)

活動内容詳細:
成田小学校児童クラブは、今年初めての参加だった。砂場でのワークショップもまだ実施していない。1,2年生合わせて14名、全体で21名の児童参加だった。

「こんにちは。」という挨拶に「こんにちは」「よろしくおねがいします。」と元気に応えてくれた。興奮して前日よく眠れなかった子どももいたようだ。いつものように神社の階段を目指した。途中の畦道でバッタやコオロギを見つけて捕まえたり逃がしたり。蛙を探しながら歩く子どももいた。主催する側としてはうれしい光景だった。100段以上ある長い石段では1年生も黙黙と元気に上がりきった。

社務所と神楽殿に分かれて荷物を置くと齋じいの待つ拝殿前に集まった。齋じいはいつものように神様の話を語り始めた。子どもたちは神様に挨拶を終えると裏手の林に入っていった。木と木の間をかき分けて入っていくのだが、それが難しい女子がいた。「ここからしか行けないんだよ。みんな行ってるよ」と言われ頑張って林に入った。

林を抜けて坪沼農園でサツマ芋や枝豆を確認し、そば畑脇の根添城跡の説明に向かった。

1,2年生は興味がないようで齋じいから離れて虫を探したり草で綱引きをして遊ぶ子どももいた。齋じいが「この裏にある神様を見に行こう」と言うと虫取りをしていた子どもたちもさっさと齋じいについて行った。耳だけは齋じいの隣にあったようだ。

草をかき分けて昔の神様を見た後は空堀下りに挑戦した。「ロープを木に結んで。」そう言われ、拝殿からずっとロープを背負ってきた5年生が桑の木にロープをかけるのに挑戦した。

齋じいがロープを持って崖を降りると子どもたちがそれに続いた。崖を降りる下級生の安全を確保するため、5年生などがしっかりロープを持ってくれた。誰も頼んではいないのだが、自発的にやってくれた。頼もしい先輩である。1年生の中には尻込みして降りられないと思われた子どもがいたが、全員挑戦し、無事成功した。崖を降り、蛍を見る場所を確認し、提灯作りに必要な竹の確保に向かった。

今年生えたばかりの「しの竹」は取らないように伝えたが、判断がつかない子も多かった。1、2年生が半数以上いたのだから仕方のないことだったが、職員が子どもを上手にリードして良さそうな「しの竹」を見つけさせた。

その後鎮守の杜にあるアスレチックで遊んだ。1本橋を歩いたり、シーソーに乗ったり、木登りしたり。綱登りに挑戦する子もいた。予定した遊び時間があっという間に終わり夕食となった。

夕食後の提灯作り神楽殿では1,2年生が多いので時間がかかるだろうと考え、時間配分をしたが、さっさと終わる子どもが多かった。「もっとこの辺にも色つけたら。」「提灯のここ空いているから何か描いたら。」そう職員に促されて頑張っていた。早く終わった子どもたちは一刻も早く薄暗くなった外に提灯を掲げて見たくなったようだ。「ちょっとだけ外行きたい。」「まだ、描いている人がいるから待ってね。」そういうやりとりをしていると提灯作りが遅れている子の手伝いを始める子どもが現れた。崖下りでもそうだったが、手伝うという行動を自然に取れる児童が多いようだった。

社務所の様子:

いよいよ8時近くになり、外は真っ暗。子どもたちは帰り支度をすると手作り提灯に明かりを灯し、うれしそうに齋じいを先頭に外へ出ていった。畑の脇道は真っ暗で、提灯の明かりがきれいだった。昔話の狐の嫁入りが頭に浮かんだ。

子どもたちは興奮気味に提灯の明かりを見ながらでこぼこ道を歩いた。蛍のいる場所が近づくと齋じいが「明かり消すぞー。」明かりを消すと、それまでおしゃべりしていた子どもたちが一瞬静かになった。ふざけて誰かが明かりをつける。すると「蛍こないよ。」と注意する子もいた。そんなこんなしながら歩いていると「蛍だ!」その声に子どもたちは一斉に反応した。子どもたちは田んぼや木の枝に光る蛍を見つけ「いたいた。こっちだ」とうれしそうだった。「僕、初めて蛍飛んでるの見た。」とうれしそうに言う子が何人もいた。

子どもたちは森で遊び、勇気を出して崖を下り、提灯で夜道を照らして歩き、蛍を見て大満足の一日だったようだ。迎えのバスまで提灯を灯しながらうれしそうに歩いた。バスに乗ると子どもたちはいつまでも私たちに手を振ってくれた。

ホタル

「おでかけポーチをつくろう!」

開催日時:2021年 6月20日(日)11:00~16:00
開催場所:TBCハウジングステーション仙台駅東口 屋外
参加者:11名
指導:SOAT佐藤、サポート:宮教大学生1名

SOATオリジナル工作布を使って、「お出かけポーチ作り」を開催しました。
参加者は、好みの「お出かけポーチ」になるように布の柄やパーツ選びを楽しんでいました。

作り方の手順は、蓋部分にマグネットホックをはめ、ポーチの両端をボンドで貼り合わせ飾りや肩紐を付けて完成。小学生のお子さんでもほとんど一人で作れる内容になっています。

少し難しい所は保護者の方に手伝ってもらうような場面もありましたが、「自分でやってみる!」とできるまで頑張るお子さんも多く、保護者はその姿を静かに見守りました。参加者は、集中してスムーズに作業が進み、30分程度で立派なポーチが完成しました。


参加者の感想:
「移動ポケットとしても使えそう。ちょうど探していたので作れて良かった。」「ボンドだけで作ったとは思えない。意外と丈夫。」「少し難しいところもあったけど、楽しかった。」などの感想がありました。

講師所感:
ボンドが完全に乾くには、布により12時間~24時間かかるので次の日から使えるようになる事を伝えると、「じゃあ明日になったら使ってみよう!」と嬉しそうでした。
自分で作ったポーチで楽しくお出掛けしていただけたら嬉しいです。

SOATオリジナル工作布の作り方

※新型コロナウイルス対策として、参加前の検温、手や道具の消毒、座席の間隔を開けて少人数ずつの受け入れ、マスクの着用等を行いながらの実施となりました。

6/29 榴岡児童館訪問/砂場ワークショップ開催

6月29日(火)15:00~16:30 
参加者:榴岡児童館児童 児童27名(1年生)、職員5名
講師:齋正弘、
サポート:SOAT4名(藤原、渡邊、佐藤、高橋)

活動内容詳細:
今回は朝から雨。天気予報が午後3時頃から雨から曇りになるはずが、午後1時の予報では雨が続く予報に変わった。急遽児童館、齋じいと相談し、合羽作りに変更した。作った雨具を着て砂場に行く、雨が上がったらその姿で砂を掘るという内容となった。

子どもたちがそろうと齋じいが「みんな集まれ」と声をかけた。齋じいの周りを囲んだ子どもたちに「おまえたち。外は雨だろ。外歩くのにどうする?」と言いながら大きなビニール袋を出してかぶって見せた。その姿に子どもたちはびっくりしたり、笑ったり。「えーと。子どもたちはビニールをかぶってはいけないとここに書いてある。」と安易にビニール袋をかぶることの危険性について伝えた。

「息できなくなるからさ、こうすればいいだろ。」といって顔の部分を横に切った。次に「手を出すにはこうすればいい。」といって今度はビニール袋を縦に切った。「みんなこうして合羽を作るぞ。テープとか張ってもマジックで描いてもいい。」ビニール袋をもらうと一斉に袋をかぶったり、切ったりし始めた。ビニール袋をはさみで切るのに苦労していたが、真剣な顔つきで切っていた。マジックペンで自由に絵を描いたり、ガムテープを貼って名前を書いたり、頭の部分に張る子どももいた。皆それぞれ自由に特大のビニール袋で遊んだ。

全員合羽の制作が終わったところで外へ出た。いつの間にか雨もほとんどやんでいた。子どもたちはそれを着て小学校の砂場までうれしそうに歩いた。合羽を着てうれしいというよりハロウィーンの仮装気分だった。砂場に着くとそのまま砂掘りの活動に入った。齋じいが大きなスコップで砂場に円を描いた。大きな円だ。「今日はここを掘る。深く掘ろう。」シャベルを手にした子どもたちは楽しそうに掘って、掘って、掘りまくった。数人ずつ固まって掘ったものだから齋じいの円の中にあちこち深い穴ができた。雨の影響で砂は掘りやすく固まってサクサク掘れた。

あっという間に砂場の底まで掘る子どもたちが出てきた。気づくと半数くらいの子どもが裸足になっていた。砂場の正しい遊び方を知っている。そう思った。山やトンネルを掘る子どももいたが、裸足の子どもたちは校庭に水たまりを見つけ遊び始めた。

砂場に掘った穴に水を入れたいと思ったのか、シャベルで水たまりの泥水をバケツに集め出す子どもが現れた。それを見た子どもの中に「穴→バケツ→水→水道」…「水くんできていいですか。」という要望となった。一度OKを出したらもうすごい。「うわー!」声を上げてバケツ片手に水道まで走り出した。

砂場は雨水を十分に吸っているのでバケツの水を吸い込まず池ができた。池ができると更にテンションが上がった。予定の時間を過ぎても終わる気配がなかったが、聞き分けよく育っているのか、なんとか時間内に終わることができた。

齋じいが「バレないように砂場を元に戻すぞ。」と声をかけた。「明日、先生から『砂場に穴掘ったままにしたのはだれだ?』と言われたら困るよね。」というと「大丈夫。明日学校休むから。」以外と1年生はおとなの発想だった。

人生初めての合羽作りとそれを着ての砂場遊び。どちらも子どもたちは自由にそして活発に、楽しく遊ぶことができた。

6/26 榴岡児童館 / 坪沼自然体験・ほたる観察ワークショップ開催

開催日時:2021年6月26日(土)15:00~21:00
場  所:坪沼八幡神社
参 加 者:榴岡児童館 児童15名(4,5年生)
     見守り隊(保護者2名)、職員3名
講師:齋正弘
サポート:SOAT 3名(藤原、渡邊、佐藤)

活動内容詳細:
今回の参加児童は高学年が多く、大人な集団だった。下校時間が遅いなどの事情があり、午後3時からのスタート、夜9時終了となった。バスから元気に挨拶しながら下りてきた子どもたちは全員、坪沼での活動を低学年のとき体験済みだった。

畦道を歩きながら「昔と変わった。」「この辺に山が見えたはず。」などと過去の体験を思い出しながら歩いた。4,5年生くらいになると思い出を懐かしむのだということに少々驚いた。神社の長くて急な石段も誰一人フラつくことなく一気に登っていった。体力もついている。素晴らしい。

この日は平家琵琶の奏者による琵琶の奉納が合った。社殿前には「夏越の祓(はらい)」の参拝者がくぐるススキの輪が立てられていた。神社の雰囲気は最高であり、それを見た子どもたちは厳(おごそ)かな気持ちで齋じいの話に聞き入った。一人一人神様に挨拶を済ませると杜に入り、館跡の説明を聞いて空堀を下りた。低学年で参加したときは足がすくみ下りられなかった子どもが今回は上手に下りることができた。成長の姿に同行した職員もうれしそうだった。

空堀を下りて蛍観察現場を確認し、提灯作りに必要な篠竹の確保に向かった。竹は堅いので高学年とはいえ剪定ばさみで切るのに苦労する子どももいた。一定の長さにそろえ、不要な枝をカットした。鎮守の杜に向かう途中で桑の実を見つけ、見守り隊の人と一緒に食べる子もいた。「あまい!」黒々とした桑の実を食べ満足そうだった。

鎮守の杜では遊ぶだけの予定だったが、ここで遊具作りの経験があるため、のこぎりを使いたい、釘を打ちたい、といった要望が出された。鎮守の杜でベンチを作った子どもが水分補給でベンチに座り、ぐらついていることに気づいた。「修理したいんで手伝ってください。」40分程度しかなかったが木登りやブランコ、のこぎりや釘打ちなどいろいろやりたいことをやって楽しんだ。

6時からの夕食後、いよいよ提灯作りの時間になった。一通り何をやればよいか説明を聞いて、提灯にマジックペンで模様を描いた。予定の30分を過ぎても熱心に描いている子どもが多かった。結局40分ほど時間がかかったが、どの子も集中力がすごかった。提灯が完成した頃には外は真っ暗。提灯ができあがり部屋の電気を消した。明かりの灯った提灯はどれも美しく輝いていた。特に焼き鳥屋の提灯だ、と言っていた子どもの提灯は目立った。赤提灯はなんとも目立つものだと改めて思った。

子どもたちはできあがった提灯を手に蛍観察に出かけた。提灯一つで真っ暗な畑の脇を通り、田の畦道を歩き、いよいよ観察場所近くで消灯。暗闇を歩く経験は駅裏に住む子どもにとって、ものすごいスリルだ。「そっちに行かない。用水路があるよ。」子どもたちは緊張しながら蛍を探した。気温が思ったほど上がらないのと風が若干あったためか、期待したほどの数は見られなかった。

子どもたちは蛍を見つけるたびに「いた、いた!」「木の上だ!」「こっちに来た!」と興奮していた。しばらくして齋じいが提灯を灯し子どもたちを集めた。いよいよ帰りの時間である。「蛍見れてよかった。」「もっと木を切りたかった。」「提灯作り面白かった。」子どもたちはいろいろ楽しい体験をして、帰りを待つバスに乗車した。

6/23 新田児童館訪問/砂場ワークショップ開催

6月23日(水)15:00~16:30 
参加者:新田児童館児童 児童21名(3年生以上)、職員3名
講師:齋正弘、
サポート:SOAT4名(藤原、渡邊、佐藤、高橋)

活動内容詳細:
 今年初めての新田児童館訪問砂場ワークショップだった。ワークショップの場所は館庭ではなく、近隣にある西田公園というところでの活動だった。子どもたちは公園脇の集会所に荷物を置いて齋じいの待つ砂場へと集合した。

 「今日は砂場の底まで掘る、ということをやってみよう。」子どもたちは一斉にシャベルやひしゃくを手に砂場を掘り出した。参加者が3年生以上だったこともあり、スコップで穴を掘る子どもも多かった。ここの砂場は結構深く、なかなか砂場の底まで掘れる子どもがいなかった。

最初に「底」に到達したのは女子だった。カチン、カチン。シャベルの先が砂場の底のコンクリートに当たる音がした。「すごいね。とうとう底までいったね。」褒めると「もっと掘りたい。」と答えながらも満足そうだった。男子はなかなか深く掘るのが難しいようだった。砂遊びに参加しないで一人、バットを振り回して遊んでいた男子がいたが、「君は力がありそうだから大人用のスコップで掘ってみたらどうか。」という声がけに応じて掘り始めた。するとしばらくしてカチン。砂場の底を掘り当てた。

「やっぱり、君はやれると思っていたんだよ。」そう声をかけたが、多分シャイなのだろう。うれしそうな表情を一瞬しか見せてくれなかった。砂場のあちこちで掘り進むと古いペットボトルやお菓子の包装、BB弾など、いろいろな発掘があった。

ペットボトルを掘り当てた男子が「これ、2012年賞味期限だ。てことは震災の時売ってたんだ。ぼく生まれていない。」
 掘った砂が次々と山になっていった。砂場の端にできた山にはいつの間にか花が飾られていた。誰が飾ったのだろうと思っていたら、なんと男子。砂場の反対側で咲いている花を見つけて飾ったという。風流な砂山ができあがった。子どもはもしかしたら生まれながらに美の探求者なのかもしれないと思う瞬間だった。

穴やトンネルができあがると齋じいが「ここに水を流してみよう。」と子どもたちに声をかけた。子どもたちはバケツやじょうろを手に一目散に水場へ駆けだした。バケツに水をくみ、頑張って砂場まで運んだ。子どもたちは感覚としてバケツいっぱいの水の重さがわからないため、苦労して水運びをする子どももいた。穴にザー、ザーといくら水を入れても水たまりができない。「もっと入れて。」友達の声に走って水をくみに行った。何度も何度も水を入れたが、水たまりの水はすぐになくなった。

いつの間にか子どもたちは水で遊ぶことを発見した。蛇口からただ水を入れるのではなく、水飲み用の蛇口から水を勢いよく出してバケツでキャッチする遊びを始めた。頭から水をかぶってしまう子どももいた。

新田児童館は砂場遊びの時だけは汚れることを前提に着替え持参で参加している。なので子どもたちは砂遊び=汚れる、という図式を理解している。今回はだれも裸足になる子どもがいなかったので全身泥まみれ、とはならなかったが、思い思いに砂場ワークショップを楽しめたようだ。

6/22 榴岡児童館訪問/砂場ワークショップ開催

6月22日(火)15:00~16:30 砂場ワークショップ実施
参加者:榴岡児童館児童 児童25名(1年生)、職員4名
講師:齋正弘、サポート:SOAT4名(藤原、渡邊、佐藤、高橋)

活動内容詳細:
 榴岡児童館2回目の訪問ワークショップだった。児童館で子どもたちを待っていた齋じいが子どもたちと一緒に校庭に現れた。砂場に着いた齋じいが今日どんなことをやるか説明しようとしたが、子どもたちはシャベルを見つけると砂場をあちこち勝手に掘り始めた。

 「みんな、今日はここに大きな山を作るぞ。」と言いながら齋じいはスコップで砂場に大きな円を描いた。話を聞く子どももいたが砂掘りに夢中な子どもも多かった。どんどん深く堀り、文字通り体を投げ出して砂場の底まで掘る男の子もいた。穴に足を入れ深さを確かめる子どももいた。砂の中から木の根っこを堀あげて喜ぶ子もいた。石のように少し硬い砂の塊を発見してうれしそうな子どももいた。みんな楽しそうに穴掘りや砂堀りを楽しんだ。

熱中するあまり、堀った砂が後ろにいるこの背中にかかる場面があった。「○○ちゃんが砂かけた」と苦情を言う子や、かかった砂が気になる子どもが昨年より多い気がした。夢中で掘っている割には汚れが気になる子どもが多かった。衛生意識が昨年の子どもより高くなっているようだ。

「汚れるのいや?」「うん。」子どもが汚れを気にして体を目一杯使った遊びに発展していない、そう思っていると児童館の男性職員が裸足になった。「砂、気持ちいい。」そう言って砂場を歩き出した。その様子を見ていた女の子が裸足になった。友達が裸足になっているのを見つけて「はだしになっていいの?」と聞いてくる子どもがいた。「もちろん。いいよ。」いつの間にかあちらでもこちらでも裸足になっていた。

裸足になれば靴の汚れは気にしなくていい。早速足を埋める子どもが現れた。「ここまで埋まった!」と喜ぶ男子。足を埋めるのを手伝った男子は得意げだった。僕がここまで埋めてやったんだ、とでも思ったのだろうか。

遊びがここまで来ればいよいよ水の出番である。堀りあげた砂場にはトンネルもある。「ここに水入れたらどうなるかな。じょうろに水入れて流してもいいよ。」「バケツもいいの?」「もちろん。」子どもたちは次々と校舎脇の水場に水をくみに行った。「こっちこっち」とバケツに水をくんだ友達を呼び、穴にジャーと入れると早速足を入れて遊びだした。水は子どもたちに魔法をかけた。トンネルに水を流し、砂山に流して川を作り、水たまりを作る。子どもたちは思いつく遊びを次々始めた。汚れを気にしていた子どもたちもいつの間にか泥水と友達になっていた。

コロナ禍で汚れることに敏感になっていた子どもたちも、今回の砂場遊びを通してちょっとだけのびのび自由に遊ぶことができたようだ。

6/19 新田児童館 / 坪沼自然体験・ほたる観察ワークショップ開催

開催日時:2021年6月19日(土)14:00~20:30
場  所:坪沼八幡神社
参 加 者:新田児童館 児童20名(3年生9名、4年生6名、5年生1名、6年生4名)
職員3名
講師:齋正弘
サポート:SOAT 3名(藤原、渡邊、佐藤)

活動内容詳細:
 子どもたちは雨具を着て元気にバスから降りてきた。参加希望者が多く、倍率3倍を勝ち抜いた子どもたちだった。「こんにちは!」わくわく感が挨拶からも伝わってきた。

 雨降りということで裏参道から境内に向かった。子どもたちの足取りは軽く、歩きにくい山道を元気よく登っていった。荷物を社務所と神楽殿に分かれて置いて戻ると早速、齋じいの説明が始まった。

話は神様や神社での挨拶の仕方などだ。これまでも何度かここでのワークショップを体験している子どももいたが静かに説明を聞いた。一人一人が神様に手を振って挨拶し、そのまま裏の林へ向かった。

 「雨で濡れた葉っぱをどう思う?」と聞くと「面白い」「光ってる」という答え。意外な答えだったので別の子に「葉っぱ濡れてて気持ち悪くない?」と訪ねると「へーきだよ」。

林を抜けるとそのまま農園脇を抜け館跡まで歩いた。根添城の説明を聞いてから草に覆われた小高い場所にある「土地の神様」を見てから堀下りに挑戦した。土が濡れてはいたが全員がロープを頼りに下りた。

堀を抜け蛍の観察場所を確認し、提灯作りで使う細い竹を探した。竹は各自で切った。男子は切った竹を得意げに振り回しながら鎮守の杜へと向かった。お手製遊具(アスレチック)でしばらく遊び、16時過ぎには社務所、神楽殿に戻って着替えや手洗い、夕食の準備を行った。夕食から全員で社務所に集まった。

 18時から提灯づくりをした。渡された提灯に模様や絵を描き、ライトをつけて日中取ってきた竹にぶら下げて提灯が完成した。ビニール袋をかけて濡れない工夫もした。

子どもたちは完成した提灯を手に外で齋じいから那須与一の話を聞いた。外はいよいよ暗さを増してきた。出発!雨もやんだ。子どもたちはドキドキしながら提灯の明かりを頼りに細い夜道を歩いた。

街灯はない。「肝試しみたい」そう言いながら楽しそうに女子が歩いて行った。

田んぼの上を蛍が飛んでいた。「いたいた!」「見つけた。」「こっちもいた。」子どもたちは夜空に蛍を見つけるたびに興奮した。8時が過ぎて帰る時刻が近づくにつれさらに蛍の数は増え、子どもたちは帰りたくないようだった。スマホを出して蛍を撮ろうとする子もいた。

昼の2時から8時過ぎまで目いっぱい遊んだ子どもたちは満足そうに提灯を灯しながら暗い畦道をバスの方へ歩いていった。

「おれはバスに乗ったらすぐ寝るぞ。」「おれも。」そんな話をしながら子どもたちは提灯の明かりとともに小さくなっていった。

※5月に植えた枝豆とサツマイモは、順調に育ってました。

6/16 榴岡児童館訪問/砂場ワークショップ開催

6月16日(水)15:00~16:30
参加者:榴岡児童館児童 児童22名(2年生~6年生)、職員4名
講師:齋正弘
サポート:SOAT4名(藤原、渡邊、佐藤、高橋)

活動内容詳細:
今年初めての訪問ワークショップだった。コロナウイルス対策として1度の参加人数を30名以下に絞った。その結果、参加児童は22名だった。開始時刻の3時になると職員に連れられ仙台サンプラザにある分室から子どもたちがやってきた。簡単に挨拶を終えると齋じいが砂場で静かな声で話し始めた。

「きょうはあまり時間がないので砂を掘って大きな山を作ろう」子どもたちはシャベルやスコップ、ひしゃくを手に砂場の砂を掘り出した。掘った砂はどんどん積み上げられ、大きな山ができた。しばらくして齋じいが「底はまだ見えないか」と声をかけたが、まだのようだった。

ある子どもが「なんだこれ」といって白いへらを掘り出した。すると自分も何か発見できるかもしれないと思った子どももいて、更に熱心に砂を掘りだした。するとスプーンや青いプラスチックの幼児用シャベルなどが出てきた。そうこうしていると今度は砂の中に木の根を発見した。木の根は砂場のあちこちで発見された。発見した子どもたちは少し興奮気味で根っこをなんとか掘り出そうとした。

「この根っこはどの木のものだと思う?」そう問いかけたがわからないようだった。「こっちが細いということは?」「わかった。あっちの木だ。」と砂場と反対方向を指さした。そして驚いた。「あの木?」驚くという体験は貴重だ。ほかの場所で掘り出された根っこを見て「これはこっちの木だ」などと納得していた。

砂場の底の部分まで掘り進んだところで齋じいが山の上からホースで水を流し始めた。「川だ。」そう言って子どもたちは一筋の溝を山に作った。齋じいが水を流すが、なかなか麓の穴まで水が流れ落ちない。仕方がないので溝を曲げて中腹に水を流すことにした。水が曲がって流れるのを見た子どもたちは「よっしゃー」と満足げだった。

終了時刻15分前になり「バレないように砂場を元に戻す」ということをやった。スコップを持った子どもを中心になんとか元に戻したが、崩した山の砂で足を埋め始めた男子がいた。「よし、本気だ」そう言うと持っていたシャベルを手放し、素手で砂を掘り友達の足を埋めだした。本気になると人間は野性に戻り道具を使わなくなるようだ。

コロナ禍で体をいっぱい使って遊ぶということが難しい子どもたちにとって、砂場ワークショップは砂まみれになって本気で遊ぶ貴重な時間となったようだ。

SOAT×六郷保育園企画 第二回「一関恵美」作品展示のご案内

SOAT×六郷保育園企画について
 SOATは、令和3年4月1日開園の六郷保育園とのコラボレーション企画として、作家支援の場を六郷保育園内に設定しました。作家の作品展示を通して六郷保育園のサブコンセプトである「子どものための小さな美術館」を実現しています。
一関恵美プロフィール2021
展示について、
展示期間:令和3年5月31日(月)~7月31日㈯
場所:六郷保育園(仙台市若林区六郷7番10号)
※園では一般開放により作品鑑賞の計画がありますが、新型コロナの影響もあり、日時等、未定。
5月31日(月)~

2021年7月4日(日)~7月31日(土)

(2歳児室2点、1歳児室2点、0歳児室2点)

※六郷保育園では第一弾の展示期間中園の利用者家族と地域の方を対象としたコロナ禍のため小規模内覧会を開催。
実施日:5月30日(日)
参加者:園利用者4組と地域住民4名

園からの報告
展覧会の後、地域の方からお礼にと手作りのたわしをいただくなど、だんだん地域との繋がりも出来てきた。

SOATの作家作品展示支援活動が地域交流に貢献出来ました。

5/20 児童館職員研修会/坪沼自然体験ワークショップ・枝豆の播種

2021年度 SOAT×児童館協働プロジェクト
開催日時: 2021年5月20日(木) 9:45~13:00
場  所: 坪沼農園(農業指導:佐藤さん夫妻)
参加者: 児童館職員13名(榴岡4名、新田4名、成田3名、成田東2名)
NPO法人せんだい杜の子ども劇場代表理事 斎藤

活動内容
本日の流れの説明を後回しにしてすぐに坪沼農園に向かった。
農園では佐藤さんご夫妻が枝豆(種)がすぐに植えられるよう準備していた。職員は植え方の説明を受け、早速種を植えた。

農業体験の後は神社の境内で齋さんの神社に関する話題提供があった。前回同様日本人の精神にはしめ縄の文化があり、石にしめ縄が回してあっても違和感がないが、これを海外の人が見たら驚くとか、子どもたちが「おはよーございます。」というのは挨拶ではなくて号令のようなものだとか、神様への挨拶は神様の方を見て手を振るだけでもよいなどといった話があった。

刀と玉が拝殿にあるというと職員は中腰になって齋さんの指さす方を真剣に見ていた。神社にまつわる話が終わると裏手の杜を歩いた。檜の匂いに気づき香に癒やされた職員もいたようだ。

杜を抜けると職員は根添城跡まで移動し1000年以上前の合戦、土地に根ざした神がいたこと、館跡に残る空堀は誰がどんな方法で掘ったのか、などの説明を齋さんから聞いた。一通り話が終わると職員は全員、空堀をロープで下りる体験をした。

齋さんの提案でロープを木に結ぶ体験もしてもらった。空堀を歩くと反対側の田んぼに出た。そこから畦道を歩き、トトロの道と齋さんが呼ぶところを探検し、坪沼の旧街道らしき道を往復し、鎮守の杜にたどり着いた。途中の竹林では昨日の雨も影響しているのか、タケノコがにょきにょき出ていた。鎮守の杜では子どもたちがこれまで作った遊具を見学し、「倒れるぞー」という活動をすることなどの説明と今年度の活動予定を聞いた。

その後、社務所で4児童館職員の本日の研修の感想を書いてもらい、その後自己紹介を行った。好きな歌手や食べ物を各自紹介しながら和気あいあいと進めることができた。その後SOATが訪問モザイクアートワークショップと蛍観賞の時に作るランタンの説明を簡単に行った。

※5月13日植えたサツマイモの苗も順調に育っていました。